まずい。 今日が何の日だか、僕だって分かっていたが 教授からの
どうしてもの頼みで カレッジに呼び出され この時間・・・。
 
女の子から、男の子へ1年に一度 愛を告白する日
そんな日が あと1時間ほどで終わろうとしていた。
   
 
        2・14
 
 
 
「フレイ!!ごめん!!!」
 
部屋に入るなり、猛烈に謝る
こういうときは ひたすら謝り続けて 嵐が通り過ぎるのを待つのが1番
彼女とのこれまでの付き合いで キラが身に着けた
防衛の1つである。
 
「 何が? 」
 
 
「・・・へ?・・」
 
彼女の怒りの声か、平手が飛んでくるものと 思い込んでいた僕は
想定外の彼女の反応に しばし、魂が離れかける。(3m)
 
「 お疲れ様。 お夕飯は?食べてきた?」
 
 
「・・い・・いや。まだ。」
 
フレイは、にっこりと笑って 夕食の盛り付けをし始める。
 
キラは 呆然とし フレイを見ていた。
 
「 フ・・フレイ?」
「なあに?」
 
「い・・いや・・その。 今日は ごめんね?」
 
「だから、何が?」
 
フレイは、大輪の笑顔で キラを見つめる(キラ視点で、絶対ゼロ度)
いつもは 嬉しいフレイの笑顔も、今のキラは 脅え続けるしかない。
 
そして、ついに自分から切り出す 決意をした(玉砕覚悟)
 
「 フレイ。今日は・・バレンタインだよね?」
 
「・・・・」
 
無言のフレイに、更に冷や汗をかきつつ
 
「だから?」
 
「いや・・。だからって・・。」
 
すると、フレイは更ににっこり微笑んで
 
「バレンタインデーって、女の子が 好きな男の子に 愛を告白する日よね?」
「う・・・うん。」
 
当然のことを、フレイが今更ながら聞く
 
「 じゃあ、私たちには 関係ないじゃない。」
 
・ ・・・え?
 
一気に、思考回路が 停止する。
 
それは、どういうことだろう?
 
フレイは、僕のこと・・・スキデハナイ・・?
 
 
涙腺が一気に緩み、視界がぼやけ始めた
 
 
 
「まいったか!!」
 
「!?」
 
フレイは、キッチンの置くから 綺麗にラッピングされたピンクの箱を 持ってくる
 
「はい。キラに、ハッピーバレンタイン☆」
 
脱力 とはこういう事を言うのだろうか。
とにかく、体に力が・・ 入らない
 
 
「わかった?私を 怒らせると怖いんだからね?」
 
 
 
 
この 彼女の言葉は、僕の脳にしっかり、インプットされた。
 
『フレイとの愛の軌跡』より抜粋
 
 
 
 
あとがき
 
わー。Sなフレイ様でした。
この二人は、こういう力関係かなと・・。